学習メソッドについててらこや式教材について

« 4つ折り漢字プリント | トップページ

山村暮鳥について

先月、音読図書館にアップした「人間に与える詩」についてご紹介します。
この詩は童話集「ちるちる・みちる」で知られる作家、山村暮鳥の手によるものです。
 
 暮鳥は、生涯を創作活動とキリスト教に捧げて生きた作家でした。18歳のときに、群馬県の前橋聖マッテア教会で洗礼を受けた暮鳥は、23歳のときから、日本聖公会の牧師として活動するようになります。キリスト教の布教に努めるかたわら、萩原朔太郎、室生犀星と「人魚詩社」を設立するなど、詩を中心とした創作活動に励みました。
 
 地中に伸びる大木の根をメインモチーフとしたこの作品は、力強い言葉で描かれています。「ちるちる・みちる」などの童話集に見られるような優しいイメージからは正反対の印象を受けます。生涯を貧困や病といった困難のなかで暮らしながらも、自分が追い求める道を進んだ、暮鳥の矜持とも言うべきものが表現されているように感じられます。